長澤まさみ、役所広司を食い物に⁉『すばらしき世界』貴重なメイキング&本編映像解禁!

(C) 佐木隆三 /2021「すばらしき世界」製作委員会
2月12日(金)

直木賞作家・佐木隆三氏の小説「身分帳」を原案とした『ディア・ドクター』『永い言い訳』の西川美和監督最新作『すばらしき世界』より、本作で重要な役どころを演じる、長澤まさみの出演シーン、貴重なメイキング映像が解禁された。

西川美和監督が、初めて実在の人物をモデルとした原案小説をもとに、その舞台を約35年後の現代に置き換え、徹底した取材を通じて脚本・映画化に挑んだ。生きづらい社会の中で、一度レールを外れても懸命にやり直そうとする実在の男と、彼を追う若きテレビマンのカメラを通して「社会」と「人間」の“今”をえぐる問題作。


本作で長澤が演じるのは、若手テレビマンの津乃田に13年ぶりに出所した三上正夫を番組のネタにしようと画策するやり手のTVプロデューサー・吉澤役。「役所さんと共演できる機会が、まさかあるとは思わなかったから・・うれしかったです」と緊張しながら臨んだ撮影について、西川監督に本音をポロリ。西川監督より仲野と長澤のシーンは息があっていて良かったと言われると、「絶大なる信頼が太賀くんにはあるから。それで(吉澤という役が)できるかなと思えた、いなかったらできなかったかも笑」と仲野との共演を喜んだ。

役所との共演に緊張する長澤の姿を見て驚いた、と何度も共演を重ね間近で長澤を見てきた仲野がのちに語るほどだが、そんな二人だからこそ生まれた空気感も本作の見どころと言ってもいいだろう。

『すばらしき世界』メイキング&本編映像(仲野太賀&長澤まさみ)

吉澤は、暗がりの部屋で、津乃田が撮ってきた密着映像の一部を真剣に見つめる。極道の世界に身を置き再犯を重ねてきた三上に対して、津乃田は「悪いことしてるって感覚ないんですか?」と質問。すると一拍置く様子もなく「ないねぇ。あんたも、誰かが褒めてくれる場所におりたかろう?」と答える。

吉澤は、一般論を軽々と飛び越え常軌を逸する人物であろう刺激的な三上の姿を見つめ、「もう最高じゃん…!!」と不敵な笑みを浮かべ、意味ありげに津乃田の膝にそっと手を置くが――。津乃田は吉澤のそんな行動に困惑…彼女の表情を読み取ろうとするも視線は一切合わず、曖昧に、にわかに揺れるシーンとなっている。

作家を志しテレビの制作会社を辞めたものの食い扶持のない津乃田を利用し、この後、三上にも物怖じすることなく会いに行き、くせ者の三上をも手玉にとってしまう。自身の強みを認識し、賢く強かな才色兼備の切れ者・吉澤を演じる長澤まさみのハマり具合がすさまじい…。西川監督によって、第一線を走り続ける長澤まさみのまた見ぬ新たな一面が見事に引き出されている。この後、三上を追ううちに津乃田と吉澤が目撃するものとは―。

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