第74回ロカルノ国際映画祭金豹賞を受賞したインドネシア発の独創的な愛と復讐のドラマ『復讐は私にまかせて』(原題:『Seperti Dendam, Rindu Harus Dibayar Tuntas 』(英題:Vengeance Is Mine, All Others Pay Cash))が、2022年8月20日(土)よりシアター・イメージフォーラム他にて劇場公開されることが決定!あわせて、場面写真2点も解禁された。
まずド肝を抜くのは序盤、起伏に富んだ採石場を舞台に繰り広げられる猛烈な肉弾アクション・シーンだ。名うての強者同士であるアジョとイトゥンは、互角のファイトの果てに激しい恋に落ちるが、過去のトラウマを引きずるアジョはED(勃起不全)に悩んでいる。その意表を突いた設定には、インドネシア社会に今も根強く残っているというマチズモ(男性優位主義、女性蔑視)への批判がこめられ、「肉体や暴力を超えた愛」というテーマが追求されている。悶々とした思いを内に抱えた男女が、タフな外見からはうかがい知れないもろさ、いじらしさをさらけ出し、愚直なまでに傷だらけ&痣だらけの愛を貫こうとする姿は、観客の熱い共感を呼び起こすに違いない。
また、デジタルカメラが主流である今の時代に、あえてアナログなフィルムでの撮影を切望したエドウィン監督の情熱は、日本の映画人の心をも動かした。『トウキョウソナタ』『岸辺の旅』『散歩する侵略者』といった一連の黒沢清監督作品や、『南極料理人』『わが母の記』『海を駆ける』などで知られる名手、芦澤明子が撮影を担当。コダックの16ミリフィルムを採用した映像の鮮烈な色彩、豊かな陰影、ざらついた質感が、本作の魔法めいたロマンティシズムの美しさ、暴力のまがまがしさを際立たせ、嵐のような愛と復讐のドラマを魅惑的にきらめかせている。
8月20日(土)シアター・イメージフォーラム他全国順次公開