巨匠テレンス・マリック監督作品『バッドランズ』より、第二弾ビジュアルが解禁された。
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「夢の終わりが、はじまる」というキャッチコピーとともに、荒地を背景にたたずむのは本作の主人公キットとホリー。本作は殺人を犯し、警察に追われる青年と彼についていく少女を描く『俺たちに明日はない』(1967)につらなる<犯罪カップルの逃避行>映画でありながら、童話やおとぎ話を思わせる抒情性豊かな美しさに満ちているのも魅力のひとつだ。デニムスタイルでかためたキットにふんするマーティン・シーン、ホリーを演じるシシー・スペイセクもワンピース姿で微笑み、荒涼とした大地と若い恋人たちのあどけなさが対照的な、本作の不思議な世界を象徴するデザインとなっている。
また、1975年以降インタビューをほぼ受けることなく、その後約20年間姿を消した謎めいた巨匠、テレンス・マリックの数少ない発言も発掘。マリックは本作について「思春期の少女についての映画を作りたかった。我々は10 代の頃の方が物事に対してよりオープンです。後になって避けてしまうような質問を自分自身に投げかけます。これは特にアメリカの若い女性に当てはまります。彼女たちは若い男性よりも世界に対してひらいた姿勢を持っています。」と述べている。それから「トム・ソーヤの冒険」「ハックルベリー・フィンの冒険」などの児童文学作品に影響を受けたことを認め、「1958年に中⻄部で14歳だった、ということがどういうことだったのかを描いた映画を作りたかった。思春期には当たり前だったものが、その後は永遠に閉ざされてしまうことがある。少し賢くなったら消えてしまう、ある種の物事に対する純粋な感情、弱さを見せたかった」とも語っている。
アメリカ中西部の失われた風景を、夢のような青春のひとときを、乾いたロマンティックさで描いた傑作『バッドランズ』。初の劇場公開をどうか楽しみにお待ちいただきたい。
3/7(金)より新宿ピカデリーほか全国順次ロードショー