「えっ、こうなるの?」という意外な展開を観てほしいー『夜明けまでバス停で』高橋伴明監督のオフィシャルインタビューが到着。

(C)2022「夜明けまでバス停で」製作委員会
10月2日(日)

コロナ禍の中の社会的孤立を描く『夜明けまでバス停で』より、高橋伴明監督のオフィシャルインタビューが解禁された。

2020年冬。幡ヶ谷のバス停で寝泊まりする、あるひとりのホームレスの女性が、突然襲われてしまう悲劇があった。非正規雇用や自身の就労年齢により、いつ自分に仕事がなくなるか分からない中、コロナ禍によって更に不安定な就労状況。そして自らが置かれている危機的状況にもかかわらず、人間の「自尊心」がゆえに生じてしまう、助けを求められない人々。本作は、もしかしたら明日、誰しもが置かれるかもしれない「社会的孤立」を描く。


バス停で寝泊まりするホームレスに転落してしまう主人公・三知子役に『欲望』(2005)以来の映画主演となる板谷由夏、三知子の働く居酒屋の店長に大西礼芳、マネージャーに三浦貴大。石を振り上げる男・工藤武彦役に松浦祐也、居酒屋の同僚役にルビーモレノ、片岡礼子、土居志央梨。ユーチューバー役に柄本佑、三知子のアトリエのオーナーに筒井真理子、介護職員にあめくみちこ、古参のホームレスに下元史朗、根岸季衣、柄本明と、実力派俳優が勢ぞろいした。


渋谷ホームレス殺人事件については、NHKの特集で十分だと思ったそうですが、本作のオファーを受けた理由をお教えください。
主人公がなぜ殺されなくてはいけなかったのかを考えた時に、当然犯人の気持ちから考えたんですが、加害者が被害者を殴った理由が見つけられなかったんです。「こういうことだった」というNHKの番組を見て、これでいいんじゃないと思ったんだけれど、本作のオファーがあって考えたときに、主役にするのは「世の中の不条理」ではないかと考えたんです。それに自分なりに想いを乗せて表現できればいいのではないかというのと、怒りを自分の中では直接表現しないで封印してきたつもりなんだけれども、「もう怒ってもいいんじゃないの?」という気持ちになれたからオファーを受けました。


大林三佐子さんの実話の映画化でなく、フィクションならばという思いがあったんですか?
はい、嘘をつくということは自由になれるということなんです。

柄本明さん演じるバクダンの「あんたみたいな若い娘がこんなことになってんのは、俺たちに責任があるんだろうか…」というセリフがありますが、伴明監督の考えでしょうか?当時やり残したという想いなんですか?
そういう気持ちはあるけれど、そのセリフを自分が書いたのかは忘れてしまいました。「やらないで負けた」という気分が強いんです。どういう方法があればやれたのかというのは誰も答えを出せないと思いますが。


伴明監督は、「映画でメッセージを伝える」という方法を選んだんですよね?
結果として、「せめて」という感じです。

バクダン役にはどのような想いを込めましたか?
我々世代の一つの代表者ということだろうし、恨み辛みみたいなものは、個々が持っていると思うんです。例えば自分なんかがいまだに忘れられないのは、学生運動で逮捕した後に機動隊って殴るんですよ。警察は取り調べでその傷を見て、「お前、相当暴れてるな?」となってしまう。バクダンの台詞の中に、そういう想いを込めました。

2021年に撮影した作品なのに、2022年に大きく話題になったセクハラ、パワハラ、生理の貧困なども取り上げられていますが、脚本の梶原さんのアイデアですか?
基本そうです。世の中の不条理を考えた時に、セクハラ、パワハラを描くのは自然だと思いました。

キャストに関する撮影時の面白いエピソードは何かありますか?
柄本親子の押しかけ出演です。柄本明の方なんて、座長公演をやっている最中だったし、柄本佑だって全然スケジュールがなかったけれど、「なんでもいいからどうしても出る」って言って、当日衣装合わせをして、全体で30分もかかっていないと思うんだよね。


読者にメッセージをお願いします。
絶対に観たらびっくりすると思います。「えっ、こうなるの?」という意外な展開を観てほしいです。


10月8日(土)より新宿K’s Cinema、池袋シネマ・ロサ他全国順次公開

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