モノクロームの世界観が観る者を異世界へと誘う、新感覚の日本映画『ホゾを咬む』予告編&佐伯日菜子、永野、瀬々敬久、足立紳らの推薦コメントが解禁!

(c)2023 second cocoon
11月5日(日)

「後悔する」という意味のことわざ「臍(ホゾ)を噛む」からタイトルをとった映画『ホゾを咬む』より、今はなきお台場の観覧車の最後の様子が収められている予告編、追加場面写真と、俳優の佐伯日菜子、お笑い芸人の永野、映画監督の瀬々敬久、佐藤佐吉、いまおかしんじ、足立紳、撮影の芦澤明子、映画パーソナリティの伊藤さとり、映画文筆家の児玉美月より推薦コメントが到着した。

不動産会社に勤める茂木ハジメは結婚して数年になる妻のミツと二人暮らしで子供はいない。ある日ハジメは仕事中に普段とは全く違う格好のミツを街で見かける。帰宅後聞いてみるとミツは一日外出していないと言う。ミツへの疑念や行動を掴めないことへの苛立ちから、ハジメは家に隠しカメラを設置する。自分の欲望に真っ直ぐな同僚、職場に現れた風変わりな双子の客など、周囲の人たちによってハジメの心は掻き乱されながらも、自身の監視行動を肯定していく。ある日、ミツの真相を確かめるべく尾行しようとすると、見知らぬ少年が現れてハジメに付いて来る。そしてついにミツらしき女性が誰かと会う様子を目撃したハジメは…。


本作は、ヒロインの小沢まゆが主演する短編映画『サッドカラー』がPFFアワード2023に入選するなど、国内映画祭で多数入選・受賞している新進気鋭の映像作家・髙橋栄一脚本・監督の最新⻑編映画。髙橋監督自身がASD(自閉症スペクトラム症)のグレーゾーンと診断されたことに着想を得て、独自の切り口で「愛すること」を描いた本作。モノクロームの世界観が怪しさと品格を放ち、独特な間合いや台詞が観る者を異世界へと誘う、新感覚の日本映画が誕生した。

『ホゾを咬む』予告編

<佐伯日菜子(俳優)>
不穏な始まり方と登場人物たち。
みんなどこか変だ。どこか変なんだけど気になってしょうがない。
不思議な音の使い方と不思議と雄弁なモノクロの画像。
ミネオショウ氏の存在感が風に揺れる柳のようにしなやかに時に強くこの作品の中で生きている。

<永野(お笑い芸人)>
歳を取れば取るほどに頭が混乱して、そのカオスに最初は自惚れていて、いよいよ余裕がなくなって逃げ出したくなり、
そんな中で観たこの奇妙かつ落ち着いた世界はもしかしたら全て主人公の妄想のようでもあり、鑑賞後に不思議と気持ちが軽くなった自分がいました!
誰も特別じゃない。


<瀬々敬久(映画監督)>
金魚鉢を頭から被ったような圧迫感。
コロナ以降の日々を生きる感触が、少しずれた現実感の中で描かれていて魅力的だ。
夫婦の行き違いというモチーフからか、デビッド・リンチの『ロスト・ハイウェイ』を思い出した。
今、私たちは何をロストしているのだろう。
果たして、それは今なのか、ずっと以前から失くしていたのか。
それを見つけようとする男女の物語。
見終わった後の果てしない感触が今も心に残っている。

<佐藤佐吉(映画監督・脚本家・俳優)>
果たして『世の中』とは『常識』とは何か。得体の知れないそれらのものが時として我々を追いつめ愚行に走らせる。既成の価値観に囚われずとも人はあるがままで肯定され得る存在なのだ。そう思わせてくれる映画でした。

<いまおかしんじ(映画監督)>
会社に行って仕事して家に帰ってくる毎日。妻や同僚との噛み合わない会話。自分のいない間に妻は何をしているのか。妄想がふくらむ。不安でいても立ってもいられなくなる。ジリジリと追い詰められていく男。不思議な余韻がいつまでも残る。


<足立紳(脚本家・映画監督)>
とても面白かった。ミネオショウさんと小沢まゆさん演じる夫婦が最高だ。
妻のキャラクターが妙に魅力的で、あんなふうに監視したくなるのがすごくよく分かるし、ドキドキワクワクした。
ラストの夫婦のとある姿は名場面だと思った。特に夫の姿。
あんな状況で、あんなふうになってみたいと思った。

<芦澤明子(撮影)>
スクエアな画角にモノクロ、堅苦しい映画かと思ったら、しなやかで、画面に溢れる色気のようなもの、とても楽しく見れました。穏やかな気持ちになりました。本を読み終えて、また最初から読みたくなる、そんな作品でした。次回作も楽しみです。


<伊藤さとり(映画パーソナリティ)>
モノクロの世界で浮き上がる普段は気付きにくい表情の動き。
そこから私たち観客も、登場人物の本心を読み取ろうとする。
他者の気持ちをどこまで知れば、友好関係は築けるのだろうか。
こんな面白い角度からそれについて探求するとは、つくづく恐れ入った。

<児玉美月(映画文筆家)>
どこか不穏なモノクロームの世界のなか、会話や仕種といったディテールが緻密に設計されている。誰しも秘められた部分があると頭ではわかっていながらも、そのすべてにどうしても手を伸ばさずにはいられない。窓際にぶら下げられた鳴らない風鈴のように、謎を謎のまま宙吊りにしながら、わたしたちはぎこちなく人間関係の有り様を模索してゆくしかないのに。


12月2日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開

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作品紹介

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