日本劇場初公開となる『男女残酷物語/サソリ決戦』の予告編&場面写真4点&サソリの秘密が解禁!
本作は、終わりなき男女の対決を描き、『華麗なる殺人』(65)、『バーバレラ』(67)、『女性上位時代』(68)といった時代を象徴する作品に匹敵する内容ながらも50年以上もの間埋もれ、海外でようやく近年その存在と価値を発見された作品だ。日本ではほとんど誰にも知られることなく、知られていないが故に誰にも待たれることもなく、存在自体が確認されていなかった。日本では劇場、テレビ、パッケージ等あらゆるメディア含めて未輸入、未紹介ゆえ、この上映で初めて、我々はこの傑作を発見することとなる。
その日本劇場初公開と共に特報が解禁されるや否や、「前衛的でポップ!」「キメキメで尖った映像」「こりゃまた凄い映画があったもんだ!」とはじめて観る映像とその世界に心を奪われる人々が続出。音楽は『ベニスの愛』(70)『夜行性情欲魔』(71)『血みどろの入江』(71)等を手掛けるイタリア映画音楽の巨匠ステルヴィオ・チプリアーニによるもので、音楽愛好家は「スコアがとにかく絶品!」と震え、フランスの芸術家ニキ・ド・サンファルによる作品≪ホン≫のレプリカが登場することから、アート好き方面には「ニキ好きとしては見逃せない」と、その邦題のインパクトのみならず芸術点の高さからも各方面のざわつきが起こっている。
解禁されたのは残酷予告。不気味な笑顔を湛えた銅像から始まり、ジャーナリストのメアリーと、慈善財団大幹部のセイヤーの出会いが描かれる。裏の顔を持っていたセイヤーはメアリーを秘密のアジトで監禁。ハイテク設備を用いられながら肉体的、精神的凌辱を受けるメアリーだったが、彼女の行動や提案は想像を超えており、2人の関係性は思わぬ展開へ。謎に満ちながら高い芸術性を持ったシーンの連続に目を奪われていると、セイヤーは巨大女性像に向かっていき……。世紀の男女対決は、いったいどのような結果を辿るのか。映画のテーマである男女間の対決は、古から世界中で平行線のまま続いてきた残酷な図式であり、ヴィヴィッドかつシュールに具現化された本編を凝縮した予告編はまさしく残酷の極みでありながら、恍惚感に満ちている。
この2人を演じるのは、『黄金の七人』(65)、『女性上位時代』、『愛の嵐』(73)の名優フィリップ・ルロワと、マリオ・バーヴァやルチオ・フルチ作品にも出演したドイツの女優ダグマー・ラッサンダー。めくるめく2人の表情と共に聞こえてくるのは、ステルヴィオ・チプリアーニによる華麗なるサウンドトラック。幻想的な美しさの「MARY'S THEME」から始まり、西部劇での決闘をまざまざと想起させるモリコーネの如き重厚な「FIGHT OF LOVE」、そして歌手オリンピアによる凛々しいヴォーカルがメアリーおよび映画全体の意思を表明するかのような一体感を持つグルーヴィーな「FEMINA RIDENS - CANTATA」が使用されており、これらを含めたゴージャスな楽曲は映画本編で存分に堪能できる。
■『男女残酷物語/サソリ決戦』予告編
併せて解禁となった場面写真は、2人の出会いを切り取ったシーンや、セイヤーが男性優位を誇りげに誇示する様子から、メアリーに似た女性がスペーシーな空間で瞑想する場面、想像を超えた女メアリーのミステリアスな表情の4点。どこに転ぶかまったく予測不可能な男女の攻防戦と、本作でしか味わえないはじめての衝撃を伺い知れる瞬間の数々だ。
また、鮮烈なインパクトを持ちながらも、謎に包まれていた本作の邦題の一部である「サソリ決戦」のサソリの秘密もはじめて解禁。
作品の中で重要な意味を持ち、事前に知ることで、より深く作品を理解することができる。
■サソリの秘密
サソリとは:鋭い鋏のような触肢と、最後尾に毒針を持ち背後から刺す節足動物。交尾の際、絶頂に達する瞬間にメスがオスを食べる。また、『男女残酷物語/サソリ決戦』象徴する巨大像≪ホン≫の作者である芸術家ニキ・ド・サンファル自身はサソリ座であり、家父長制社会によるシステムの欠陥を見抜き暴くというその性質を生涯誇りとした。
現在、全国共通券(紙券)1,500円が新宿武蔵野館、渋谷ホワイトシネクイントほか一部上映劇場とオンラインにて販売中。先着特典として付いてくる「"決戦準備用"レコード・ジャケット型チラシ」が評判を呼び、劇場窓口では早くも大変な売れ行きとなっている。中面には、本作の基本情報から劇中音楽に関する情報と、映画/海外ドラマ・ライターのなかざわひでゆきによるミニコラムを掲載。熟読して、めくるめく映像世界とチプリアーニの奏でる美しきメロディの連続に心を準備しておきたいところだ。
6月7日(金)より新宿武蔵野館・渋谷ホワイトシネクイントほか全国順次公開