2023年の「第44回青龍映画賞」で最優秀作品賞を含む4冠に輝き、同年サマーシーズンの韓国で500万人以上を動員し、年間興収ランキング3位の大ヒットを記録。キム・ヘス、ヨム・ジョンア、チョ・インソンら豪華俳優陣が集結し、稀代のヒットメーカー、リュ・スンワン監督が衝撃の実話から着想を得て作り上げた予測不能な海洋クライム・アクション『密輸 1970』 がついに公開!今回、日本での本作公開を見届けたいとリュ・スンワン監督と人気俳優チョ・インソンが緊急来日し、7月13日(土)新宿ピカデリーにて公開記念舞台挨拶を実施。上映後、満員の観客から拍手が起こる中、二人が登場するとさらに大きな歓声があがり、熱気あふれるなか舞台挨拶がスタートした。
公式来日は、2015年『ベテラン』公開以来9年ぶりというリュ・スンワン監督は「こんにちは(日本語)。蒸し暑い中、このように映画を見に来てくださりありがとうございます!韓国では、昨年とても暑い夏にこの映画が公開されまして人気をいただきました。日本でも今年の暑い夏に少し涼しさを届けられることができれば嬉しいです」 と挨拶。続いて劇中主人公の海女たちと一攫千金をかけたサバイバルを繰り広げる密輸王クォン軍曹を演じたチョ・インソンは「お会いできて嬉しいです。チョ・インソンです。このように劇場をいっぱいにしてくれてありがとうございます!個人的には日本には旅行で頻繁にきていますし、先日は東京でファンミーティングも行いました。実はこのあと大阪でもファンミーティングがあるのですが、そのタイミングで、このように監督と一緒に劇場で皆さんとご一緒することができて嬉しく思っています」と感激の面持ち。
リュ・スンワン監督といえば、『ベテラン』で来日した際に、故千葉真一さんや日本のアクション映画の大ファンだということを語っていたが、そのことについて改めて問われると「以前、千葉真一先生にお会いできてとても光栄に思っていましたが、数年前にお亡くなりになって、とても胸が痛みました。千葉真一さんの映画はみな素晴らしいのですが、特に『殺人拳』シリーズがとても好きです」と話し、「また本作に直接的な影響を与えたのは、日本の70年代の作品で女性を主人公にした復讐劇です。映画のオールドファンはご存じだと思いますが、私は『修羅雪姫』や『女囚さそり』シリーズがとても好きで、本作で使用されている原色的な照明の使い方やシーンの転換などはそのあたりからの影響が強いんです」と明かした。さらに「劇中パク・ジョンミンが演じたドリのヘアスタイルや衣装は深作欣二監督の『仁義なき戦い』 シリーズに登場するやくざの姿から影響をうけて形作っていきました」と披露すると、映画を見たばかりの観客も納得の表情。
また、本作の見どころでもあるアクションシーンについては、リュ・スンワン監督から「チョ・インソンという傑出した俳優がいたからこそ、可能だったと思っています!」と言われ、思わず後ろを向いて恥ずかしそうにしていたチョ・インソン。『モガディシュ』に続いてキャスティングした本作で「彼の能力をどこまで引き出すことができるのか常に考えていました」と監督が答えると、チョ・インソンは「この作品だと、ホテルの中でのアクションシーンもありますし、これまで誰もチャレンジしたことなかった水中での海洋アクションシーンもありますが、一番大変だったのが地上よりも水中のアクションシーン。水の中の浮力と戦いながらアクションしなければならなかったので、このシーンに挑んだ俳優の方たちはすごく大変だったと思います。それを素敵に演じられたことで、このようにすばらしいシーンになったと思いますし、怪我無く無事にこのシーンが撮り終えられてよかったと思っています」と笑顔。
そして、ここでスペシャルゲストの大谷亮平が登場し、それぞれに花束を贈呈。チョ・インソンは「このようにお花を頂けてちょっと恥ずかしいようなそんな気分です」と語りながらも満面の笑みで会釈。大谷亮平は「アンニョンハセヨ。大谷です。僕も皆さんと同じで今日お二人に会えることをとても楽しみにしてきました」と挨拶。舞台裏では監督たちと韓国語で話もしていたという大谷は本作の感想を問われ「めちゃくちゃ面白かった!」と興奮ぎみ。「水中アクションや監督お得意のアクションシーンは見ごたえありましたし、一方、登場人物がみなすごく追い込まれていて、結構絶望的で。でも見終わったあとの爽快感というか後味がよい。そして音楽やファッションや監督が作られる世界観で最後は気持ちがすっきりしましたね、素敵な映画でした!」すると大谷から「僕が韓国に行ったとき挨拶くらいしか話せなかったので、最初マンツーマンで授業をうけていたのですが面白くなくて(笑) ドラマを題材にしてほしいと韓国語の先生にお願いをしたところ、勧められたドラマがチョ・インソンさん主演の「春の日」だったんです」と意外なエピソードが!「20年くらい前のドラマで、チョ・インソンさんの役がちょっと不良っぽい役だったのでセリフがめちゃくちゃ難しくて。でもいまだにそのセリフ覚えています。実際にそのセリフを私生活で使ってみたりもしました」という話に、チョ・インソンも「「春の日」というドラマは実は日本のドラマ「星の金貨」が原作なんです。ですので、そのようなご縁もあってここでこうして出会えたのではないかと思います」と嬉しそう。
さらに本作ではエンディングにお楽しみともいえるシーンがあるのだが、大谷はそのときのチョ・インソンの表情や、そのあとの展開が気になるようで、いろいろな場面について思わず前のめりで質問する様子に、リュ・スンワン監督も「大谷さんにこのように映画をしっかりと楽しんでご覧いただけたことが光栄でもあり、ありがとうございます」と感謝を伝えたあと、「(大谷が気になっていた)クォン軍曹がチュンジャをかくまうためトイレに隠すシーンは台本にはあったけれど、あれほど爆発力のあるシーンになるとは思っておらず、監督である私はその状況を作っただけで、演じたキム・ヘスさんとチョ・インソンさんという優れた俳優の能力のおかげだと自信を持って言えます。韓国の多くの観客もあのシーンが好きで、日本の『すずめの戸締まり』をもじって、“クォン軍曹の戸締り”といっていたくらいです」と紹介。そして、そのあと、なんと監督自身「全世界で初めて明かしたお話です!」と興奮気味に話した、80年代を背景した『密輸』の続編ともいえるアイディアまで、話の尽きない舞台挨拶が続いた。
最後に「今日はお時間を作ってくれてありがとうございました。こうやって映画を愛する観客の皆さんと劇場でお会いできるというのが僕にとって一番嬉しいことなんです。韓国もそうですが日本もすごく蒸し暑いですよね。この作品で涼しく過ごしていただけたら嬉しいです。次回またご挨拶できる日までみなさんどうぞお元気で」(チョ・インソン)、「私はこんな風に劇場をいっぱいにしてくださった観客の皆さんと、今日一緒に過ごしてくださった大谷さん、そして花束に魅了されて秘密を漏洩してしまいました。どうしようか、と今頭を悩ませています。でもまぁ大丈夫です。皆さんが責任を取ってくれだされば。ここから皆さんは映画『密輸 1970』の営業社員となっていただいて、公開中、家族・親戚・お友達、周りのありとあらゆる人にも宣伝していただいて、映画をたくさん見ていただけるようよろしくお願いします!ありがとうございます!」(リュ・スンワン監督)と二人から熱いメッセージ。映画同様爽やかで、二人の仲の良さが垣間見られる、和気あいあいとしたイベントとなった。
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