蜂の巣の子供たち
無類の子供好きの清水宏には子供がなかった。そんなこともあり、戦争孤児と呼ばれる浮浪児たちを引き取り自ら面倒を見た。かくて“蜂の巣“という映画プロダクションを作り、その浮浪児たちと素人俳優たちを出演させ、私財を投じて製作したのが本作品である。復員した島村は帰るべき家も肉親もなく、下関駅前にただぼんやりと立っていた。ひょんなことから8人組の浮浪児たちと、引揚者の女性・夏木と知り合う。皆同じような立場にあったので、心に通い合うものがあった。一同は別々にあてのない放浪の旅を広島へ向けて開始する。