天空の草原のナンサ

雄大なモンゴルの草原に遊牧民の家族が暮らしている。羊の遊牧をするたくましい父親と優しい母親、６歳になる愛らしい娘のナンサ、その妹と小さな弟。ある日ナンサは、ほら穴で、賢くてかわいい子犬と出会う。ナンサはその犬を“ツォーホル”と名付け、家に連れて帰るが、父親はオオカミの仲間かもしれないと言って、飼うことを許してくれない。しかし、父親が町に羊の皮を売りに出かけて留守にすると、ナンサは内緒でツォーホルを飼い始めるのだった。、遊牧に出かけた草原で、ナンサはツォーホルとはぐれてしまう。ツォーホルを探して馬を走らせるナンサ。ようやくツォーホルが見つからなかった頃には、あたりはもう薄暗くなっていた。不安でいっぱいのナンサは、降り出した雨の中、遠くから聞こえる歌声に導かれ、遊牧民のおばあさんに助けられる。そこで、モンゴルに伝わる「黄色い犬」の伝説を話してくれた。父親が町から戻り、草原を移動する時がきた。ゲルを解体し、準備を始める家族達。父親はツォーホルを置いていくと言う。ナンサは弟の守りを頼まれていたが、ツォーホルのことが気になって弟から目を離してしまう。次の遊牧地へ羊達と共に移動する途中、気づくと小さな弟はどこかへいなくなってしまっていた。あわてる母親、馬に飛び乗り探しに行く父親。心配そうに見つめるナンサと妹。小さな弟は、草原にいて、羊の死骸をついばむ大群に近づいていった。ロープでつながれたままのツォーホルは、それを見て力いっぱい何度も何度も大きく吠える。はたして、ツォーホルは小さい弟を救うことができるのだろうか。