ドッグ・デイズ

自分の恋人クラウディアが踊るのを見ていたというだけで、見知らぬ客に突然殴りかかる男、マリオ。太った中年家政婦に、今はいない妻のドレスを着させてストリップをさせるヴァルター氏。目的地のないヒッチハイクを繰り返し、不愉快なおしゃべりをする女、アナ。恋人ヴィケールと彼の男友達のラッキーに無理に酒を飲まされて、しつこく乱暴な嫌がらせを受ける女教師。女性教師の態度にぼう然として、銃を振り回すのをやめ、一人泣くラッキー。解放されたアナは雷の中を黙りこくって歩き続ける。クラウディアは母と住んでいる家の窓から外をぼんやりと眺めている。愛犬を何者かによって殺されたヴァルター氏はがっくりと肩を落す。そして、元夫婦はかつて子供が遊んだ庭のブランコに並んで座り、ただ無言で揺られているのだった。
公開日
2006年5月6日(土)
監督
ウルリヒ・ザイドル
脚本
ウルリヒ・ザイドル ヴェロニカ・フランツ
撮影
ヴォルフガング・ターラー
出演
マリア・ホーフステッター アルフレート・ムルヴァ エーリヒ・フィンシェス ゲオルク・フリードリヒ
製作年
2001
製作国
オーストリア
原題
HUNDSTAGE/DOG DAYS
上映時間
121
INTRODUCTION
古くからヨーロッパ文化の中心地として栄えてきたオーストリアの首都ウィーン。しかし、その反面、斬新で既成の価値観を壊す過激な表現を生み出してきた伝統もある。『Animal Love』(95)、『Models』(99)などのドキュメンタリーで評価を得てきたウルリヒ・ザイドル監督の問題作。本作は2001年度ヴェネチア国際映画祭で大反響を巻き起こし、同映画祭審査員特別大賞を受賞した。人間性を徹底的に描き出したこの作品に対して、観客の意見は賞賛と否定のまっぷたつに分かれ、あまりにも過激な内容であるため、日本公開は一時危ぶまれた。ところが、賞賛の声に押されて、この問題作の日本公開が決定した。出演は、スーパーマーケットの駐車場をうろついては、誰かれかまわず話しかけるアナには、『Gelbe Kirschen』(00)などのオーストリア映画に出演しているマリア・ホーフステッター、ギリシャ人の元夫には、本作で映画初出演のヴィクトール・ラートボーン、ラッキーには『ピアニスト』(01)のゲオルク・フリードリヒが好演している。
STORY
自分の恋人クラウディアが踊るのを見ていたというだけで、見知らぬ客に突然殴りかかる男、マリオ。太った中年家政婦に、今はいない妻のドレスを着させてストリップをさせるヴァルター氏。目的地のないヒッチハイクを繰り返し、不愉快なおしゃべりをする女、アナ。恋人ヴィケールと彼の男友達のラッキーに無理に酒を飲まされて、しつこく乱暴な嫌がらせを受ける女教師。女性教師の態度にぼう然として、銃を振り回すのをやめ、一人泣くラッキー。解放されたアナは雷の中を黙りこくって歩き続ける。クラウディアは母と住んでいる家の窓から外をぼんやりと眺めている。愛犬を何者かによって殺されたヴァルター氏はがっくりと肩を落す。そして、元夫婦はかつて子供が遊んだ庭のブランコに並んで座り、ただ無言で揺られているのだった。
CASTING
●エーリヒ・フィンシェス(ヴァルター氏) エーリヒ・フィンシェスは、これまでさまざまな職を渡ってきた。バーのオーナー、市場の配達人、タクシー運転手、ジャムとジュースの生産者など。今は75歳で、障害者年金を受けながらウィーンのアパートに住んでいる。 ●マリア・ホーフステッター(アナ) 撮影当時37歳のホーフステッターは、アナの役を一年ほどかけて準備し、精神障害者の住む集合住宅にも定期的に通った。『Wanted』(99)、『Gelbe Kirschen』(00)などのオーストリア映画に出演、またインディペンデントな演劇シーンでも活躍中。 ●ヴィクトール・ラートボーン(ギリシャ人の元夫) マーケティングの専門家としての教育を受け、現在はウィーンのヨーロッパ特許局で働いている。『ドッグ・デイズ』が映画初出演。 ●ゲオルク・フリードリヒ(ラッキー) 35歳のフリードリヒは、バーバラ・アルバートの『Nordrand』(99)やミヒャエル・ハネケの『ピアニスト』(01)といった評価の高い作品に出演している。

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