最初の人間

ノーベル文学賞作家、アルベール・カミュの自伝的遺作の映画化。 1957年、夏。作家コルムリは、今は老いた母が独りで暮らす、生まれ育った土地アルジェリアを訪れる。仏領のこの地は、独立を望むアルジェリア人とフランス人との間で激しい紛争が起こっていた。そんな中でも、母はいつもと変わらぬ生活を続けており、息子の帰郷を喜んだ。地中海の青さも、あの頃のまま。いつしか心は、かつての少年の日に還っていく―。父は若くして戦死し、厳しい境遇の中で懸命に働きコルムリを育ててくれた母、厳格な祖母、気のいい叔父、彼らはみな文字が読めなかった。そんなコルムリを、文学の道にいざなってくれた恩師、アルジェリア人の同級生のこと…。数々の思い出が彼の胸を去来するが、その一方で、現実の状況が、当時と大きくかけ離れてしまったことを目の当たりにしてゆく。

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