眠れる美女

21歳で事故にあい、17年間昏睡状態にある女性エルアーナ･エングラーロ。彼女の家族は尊厳死を望んでいた。妻の延命装置を停止させた過去を持つ議員のベッファルディは、エルアーナの延命措置を続行する法案に賛成票を投じるか頭を悩ませていた。そんな父に不信感を持つ娘のマリアは、エルアーナ延命のためのデモに参加し、反対のデモ団体に属する青年に恋をしてしまう。 同僚たちはエルアーナの死を賭け事の対象にし、患者たちは不信感をむきだしにし治療の不満をぶつけてくる。そんな日々に疲れを感じていた医師パッリドの前に、自殺願望を持つ薬物中毒の女ロッサが現れる。目の前で手首を切った彼女は幸い一命を取り留めるが、眠りから一向に目をさます気配がない。パッリドはそんなロッサの傍らに寄り添い、彼女を救おうと試みる。 一人の伝説的女優は輝かしいキャリアを捨て、植物状態の娘のため看病に専念し、毎日祈りを捧げ、エルアーナと娘を重ねては涙を流していた。そんな母を妄信的に愛しつつも、愛を得ることのできない俳優志望の息子。彼は母に振り向いてもらうため、ある行動にでる。